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サクロンの添付文書解説

サクロンを使用してはいけない人は?併用してはいけないお薬は?添付文書の「使用上の注意」をひとつひとつ丁寧に解説します。

                             ケンコーコム薬剤師 中山 美紀

サクロン (顆粒・錠剤)

成分 1日量3包(もしくは1日12錠)中
銅クロロフィリンカリウム 120mg   荒れた胃粘膜を修復・保護します
無水リン酸水素カルシウム 1020mg  出過ぎた胃酸を直接中和します
沈降炭酸カルシウム 1020mg 出過ぎた胃酸を直接中和します
水酸化マグネシウム 960mg  出過ぎた胃酸を直接中和します
ロートエキス3倍散 90mg 胃酸の分泌を抑え、痛みを止めます。

☆☆添付文書解説☆☆

使用上の注意

してはならないこと
〔守らないと現在の症状が悪化したり副作用が起こりやすくなる〕
1.本剤を服用している間は、次の医薬品を服用しないでください
  胃腸鎮痛鎮痙薬

解説:胃腸鎮痛鎮痙薬には同じような働きの成分が含まれていますので、一緒に服用すると作用が強く出すぎてしまう恐れがあります。

してはならないこと
〔守らないと現在の症状が悪化したり副作用が起こりやすくなる〕
2.授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を
  さけてください
  (母乳に移行して乳児の脈が速くなることがあります。)

解説:このお薬に含まれるロートエキスによって乳児に頻脈が現れたり、母乳の出が悪くなったりします。

相談すること
1.次の人は服用前に医師又は薬剤師に相談してください
  1)医師の治療を受けている人

解説:医師の治療を受けている人は、医師から何らかの薬剤の投与または処置を受けており、さらに素人判断で他の薬剤を服用することは、同種薬剤の重複投与や相互作用等を引き起こすおそれがありますので、服用前に医師または薬剤師にご相談ください。

☆このお薬を使用してはいけない病気

・甲状腺機能低下症又は副甲状腺機能亢進症
・高カルシウム血症
・腎結石
・重篤な腎不全
・緑内障
・前立腺肥大による排尿障害
・重篤な心疾患
・麻痺性イレウス

○このお薬に含まれる「沈降炭酸カルシウム」は、甲状腺機能低下症又は副甲状腺機能亢進症の患者では症状が悪化するおそれがあるため、使用できません。
○このお薬に含まれる「無水リン酸水素カルシウム」は高カルシウム血症、腎結石のある方は症状が悪化する恐れが、重篤な腎不全のある方では組織への石灰沈着を助長するおそれがあるためご使用いただけません。
○このお薬に含まれる「ロートエキス」は、緑内障のある患者では、眼圧を高めたり、前立腺肥大による排尿障害のある患者では排尿障害を増悪させたり、重篤な心疾患のある患者では心拍数を増加させたり、麻痺性イレウスのある患者では消化管運動を抑制したりして、症状を悪化させるおそれがあります。

☆このお薬を使用する場合は注意すべき病気

・腎障害
・心機能障害
・肺機能障害
・便秘
・下痢
・高マグネシウム血症
・前立腺肥大
・うっ血性心不全
・不整脈
・潰瘍性大腸炎
・高温環境にある患者

○このお薬に含まれる「水酸化マグネシウム」は腎障害ではマグネシウムの排泄が阻害され貯留を起したり、心機能障害では徐脈を起こしたり、下痢のある方では緩下作用により下痢を悪化たり、高マグネシウム血症では症状を悪化させるおそれがあります。
○このお薬に含まれる「沈降炭酸カルシウム」や「無水リン酸水素カルシウム」は腎障害、心機能障害、肺機能障害、便秘のある方では症状が悪化したり、高カルシウム血症の方は副作用があらわれやすくなったりする恐れがあります。
○このお薬に含まれる「ロートエキス」は前立腺肥大のある患者では排尿障害があらわれたり、うっ血性心不全や不整脈では症状を悪化させたり、潰瘍性大腸炎では中毒性巨大結腸があらわれたり、甲状腺機能亢進症の患者では心拍数を増加させ、症状を悪化させたり、高温環境にある患者では発汗が抑制され、体温を上昇させるおそれがあります。

☆このお薬と一緒に服用する場合に注意が必要な薬剤

テトラサイクリン系抗生物質 :薬剤の吸収が低下し、効果が減弱するおそれがあるので、同時に服用しないで下さい。(このお薬に含まれる水酸化マグネシウム、沈降炭酸カルシウム、無水リン酸水素カルシウムとの相互作用です)
ニューキノロン系抗菌剤 :薬剤の吸収が低下し、効果が減弱するおそれがあるので、同時に服用しないで下さい。(このお薬に含まれる水酸化マグネシウム、沈降炭酸カルシウム、無水リン酸水素カルシウムとの相互作用です)
高カリウム血症改善イオン交換樹脂製剤 :薬剤の効果が減弱するおそれがあります。また、併用によりアルカローシスがあらわれたとの報告があります。(このお薬に含まれる水酸化マグネシウム、沈降炭酸カルシウム、無水リン酸水素カルシウムとの相互作用です)
活性型ビタミンD3製剤 :活性型ビタミンD3製剤はカルシウムやマグネシウムの吸収を促進しますので、高カルシウム血症や高マグネシウム血症があらわれやすくなります。(このお薬に含まれる無水リン酸水素カルシウム、沈降炭酸カルシウム、無水リン酸水素カルシウム、水酸化マグネシウムとの相互作用です)
ジギタリス製剤 :この薬剤の作用を増強するおそれや吸収が阻害されるおそれがあり、ジキタリス製剤の本来の効果が期待できないおそれがあります。(このお薬に含まれる無水リン酸水素カルシウム、沈降炭酸カルシウムに含まれるカルシウムはジギタリスの心筋収縮力を増強します。また、水酸化マグネシウムは消化管内でジギタリスと吸着することにより、吸収を阻害すると考えられます。)
ビスホスホン酸系骨代謝改善剤 :薬剤の吸収が低下し、効果が減弱するおそれがあるので、同時に服用しないで下さい。(このお薬に含まれる水酸化マグネシウム、沈降炭酸カルシウム、無水リン酸水素カルシウムとの相互作用です)
セフジニル :薬剤の吸収が低下し、効果が減弱するおそれがあるので、同時に服用しないで下さい。(このお薬に含まれる水酸化マグネシウムとの相互作用です。)
大量の牛乳、カルシウム剤 :milk-alkali syndrome(高カルシウム血症、高窒素血症、アルカローシス等)があらわれるおそれがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には服用を中止してください。(このお薬に含まれる水酸化マグネシウム、沈降炭酸カルシウム、無水リン酸水素カルシウムとの相互作用です)
鉄剤 :薬剤の吸収・排泄に影響を与えることがあるので、同時に服用しないで下さい。(このお薬に含まれる水酸化マグネシウムが胃内pHを上昇させたり溶けにくい塩をつくることで鉄剤の吸収が阻害されると考えられます。
三環系抗うつ剤 :薬剤の作用が増強されることがあります。(このお薬に含まれるロートエキスとの相互作用です。)
フェノチアジン系薬剤 :薬剤の作用が増強されることがあります。(このお薬に含まれるロートエキスとの相互作用です。)
MAO阻害剤 :薬剤の作用が増強されることがあります。(このお薬に含まれるロートエキスとの相互作用です。)
抗ヒスタミン剤 :薬剤の作用が増強されることがあります。(このお薬に含まれるロートエキスとの相互作用です。)
イソニアジド :薬剤の作用が増強されることがあります。(このお薬に含まれるロートエキスとの相互作用です。)

相談すること
1.次の人は服用前に医師又は薬剤師に相談してください
 2)妊婦又は妊娠していると思われる人

解説:妊娠または妊娠していると思われる人は、胎児への影響を考え、また、妊娠という特別な要因を考慮する必要があります。妊婦さんは安易に薬を服用せず、担当医にご相談ください。(このお薬に含まれるロートエキスは胎児に頻脈などが現れることがあります。また、乳汁分泌が抑制されることがあります。)

相談すること
1.次の人は服用前に医師又は薬剤師に相談してください
  3)高齢者

解説:高齢者では心臓・腎臓・肝臓・血管などの生理機能の低下が考えられ、薬剤の作用が強くあらわれることがありますので、服用前に医師、または薬剤師にご相談ください。(特にこのお薬に含まれるロートエキスの抗コリン作用により排尿困難、便秘等があらわれやすいので、服用についてはご注意下さい。)

相談すること
1.次の人は服用前に医師又は薬剤師に相談してください
  4)本人又は家族がアレルギー体質の人
  5)薬によりアレルギー症状を起こしたことがある人

解説:配合成分のロートエキスや沈降炭酸カルシウムはまれにアレルギーを引き起こす可能性があります。

相談すること
1.次の人は服用前に医師又は薬剤師に相談してください
  6)次の症状のある人
    排尿困難

解説:このお薬に含まれるロートエキスは尿管、膀胱の収縮を抑制しますが、膀胱括約筋を収縮させる傾向にあり、排尿困難を起こすことがあります。

相談すること
1.次の人は服用前に医師又は薬剤師に相談してください
  7)次の診断を受けた人
    腎臓病、心臓病、緑内障

解説:※1.1)の解説を参照

相談すること
2.次の場合は、直ちに服用を中止し、この説明文書をもって医師又は薬剤師に相談してください
  1)服用後、次の症状があらわれた場合
    関係部位:皮 ふ     症状:発疹、発赤、かゆみ 

解説:このお薬に含まれるロートエキスや沈降炭酸カルシウムで、まれにアレルギー症状があらわれる場合があります。その場合は、直ちに服用を中止し、この説明文書をもって医師又は薬剤師に相談してください。

相談すること
2.次の場合は、直ちに服用を中止し、この説明文書をもって医師又は薬剤師に相談してください
  2)2週間位服用しても症状がよくならない場合

解説:制酸剤の効果は、早ければ1-2日、遅くても1-2週間位であらわれるのが普通です。したがって、2週間服用しても効果があらわれない場合は、他に原因があると考えられますので、使用を中止して専門家に相談する必要があります。

相談すること
3.次の症状があらわれることがあるので、このような症状の継続又は増強がみられた場合には、服用を中止し、医師又は薬剤師に相談してください。
   口のかわき、便秘、下痢

解説:このお薬に含まれるロートエキスによって唾液の分泌が減り、口渇があらわれることがあります。また、水酸化マグネシウムは下痢・軟便の傾向を示し、沈降炭酸カルシウムやリン酸水素カルシウムは便秘の傾向を示します。このような症状の継続又は増強がみられた場合には、服用を中止し、医師又は薬剤師に相談してください。

■■その他の注意■■
母乳が出にくくなることがあります

解説:ロートエキスによって母乳の出が悪くなったりします。また、乳児に頻脈が現れる可能性もありますので、このお薬を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳をさけてください

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