エネルギーを補いリウマチの症状を軽減する「蟻(アリ)」
日本では、蟻を食べるという習慣はないが、タイの蟻カレー、オーストラリアの蟻ジャム、ブラジルの蟻炒め、メキシコの蟻ケーキなど、世界中の多くの地域で好んで食べられている。
蟻は自分の身体の数百倍もの荷物を運べる程のエネルギーに満ちた昆虫。タンパク質やミネラルが豊富で、特に亜鉛の含有量は極めて高くなっており、中国では昔から蟻を強壮剤として食していたそうだ。
また、蟻は「虫薬」として最も古い歴史を持っており、「補腎・養肝・健脾」作用が強く、多くの効果が明らかになっている。
東洋医学用語解説
☆「腎」とは:先天的なエネルギーをつかさどり、泌尿器、生殖活動に深く関わっている。男女を問わず、腎が弱ると生殖能力は落ちてしまう。不妊や更年期障害は「腎」の衰えに関係していると考えられている。
☆「肝」とは:血を貯え、筋をつかさどり、目に精を送る、といわれている。また、気や血を行き渡らせる働きを持ち、精神的なストレスに反応し、体内に「気の鬱滞」を作り出す。
☆「脾」とは:主に消化器系の働きをし、後天性のエネルギー(食べ物を消化してエネルギーにする)をつかさどる。また脾は水を体内に循環させる働きがあり、脾が弱ると浮腫が見られるようになる。
☆東洋医学的にみるリウマチとは
リウマチの主な症状は、手足をはじめ、手指がこわばったり、全身の関節が腫れて痛み、進行すると関節が変形する、といったものである。
東洋医学では「痺症(ひしょう:経絡が詰まって流れない)」と呼ばれ、「風・湿・寒」の3つの邪気が体内に侵入して気や血や津液の流れ(経絡)が妨げられ、関節や筋肉に痛みが生じる病気とされている。
「風・湿・寒」の邪気が身体を攻撃する背景としては、「腎虚(腎が弱っている)」「脾気虚(脾が弱っている)」があり、この時に、外邪が攻め込んで「痺症」がおこる。
つまり、リウマチを治療するには、「腎」と「脾」を強くし、気や血や津液の流れを改善するものが有効であると考えられ、「補腎・養肝・健脾」作用が高く、通経活絡作用、抗炎症、鎮痛作用をもつ蟻が、リウマチの治療に使用されてきた。
☆蟻のリウマチに対する効果
中国の南京には、「金陵蟻治療中心」という、蟻を使用した治療を専門に研究している施設がある。
リウマチ患者に使用した臨床実験を行った結果、有効率が90%以上となり、蟻(擬黒多刺蟻:ぎこくたしあり)はリウマチ治療にとても有効であることがわかった。
対象:1988年から1990年の間に3ヶ月以上治療を受けた患者
例数:1万例
結果
●明らかに有効 50%(リウマチが治った例…1100例 11%)
●有効 39%
※蟻の毒素である蟻酸(ぎさん)は乾燥、粉砕の段階で無毒化される。
☆マウスによって確認された蟻の免疫調整作用
西洋医学的にみると、リウマチは自己免疫疾患になる。
免疫の司令塔といわれるT細胞は、その産生するサイトカインの違いから、Th1細胞とTh2細胞にわかれ、バランスを保っている。しかし、何らかの原因でこのTh1とTh2のバランスが壊れると、自己免疫疾患やアレルギーなどの免疫不全を引き起こすことになる。自己免疫疾患の場合はTh1が過剰に働いている状態にあり、免疫細胞が異物に対してではなく正常な身体組織を破壊してしまう。
蟻には、この免疫バランスを整える働きがあることが、中国人民軍(空軍)医療専門学校で行われた老齢マウスを使った実験で明らかになっている。
また他にも、性機能の促進や、神経と内分泌系の機能強化などの効果も報告されている。
☆蟻の摂取方法
・1日1500mg位が目安
1日3回に分けて摂れば1回量も少なくていいが、中国のリウマチ治療では、1日分の蟻の粉末を1回にまとめて飲ませているので、どちらでも構わない。また、体調に合わせて加減してよい。
・痛みが止まったら、量を減らして摂取し続ける
再発防止や滋養強壮の為に、少量でも続けた方がよい。
・痛みがひどい場合は多く摂取しても構わない
蟻は毒性が低い虫薬である。通常の2−3倍であれば増やしても構わない。
・妊娠中、授乳中でも基本的には摂取できる
ただし、妊娠中は思わぬものにアレルギーを起こす場合があるので、その場合は使用を中止すること。また、他の生薬などが配合になっているものについては、医師、または薬剤師に相談すること。
・他の薬剤と併用しても構わない
ただし、病院にかかっている際の健康食品の摂取につきましては、必ず担当医に相談すること。